こんにちは。
突然に試用期間終了時に「雇用終了」や「契約更新なし」と告げられたらびっくりしますね。
今、あなたの心の中は不安と怒り、そして将来への不安で一杯かもしれません。
そんな思いが駆け巡っているのかもしれません。
でも、大丈夫です。
この記事を読めば、あなたの権利と取るべき行動が明確になります。
一緒に、この困難な状況を乗り越える方法を見つけていきましょう。
解雇が正当かどうかを確認しよう

突然解雇を告げられたら、驚いて混乱するかもしれません。
でも、落ち着いて、まずその解雇が正当なものかどうかを確認することが大切です。
試用期間中だからといって、会社が自由に解雇できるわけではないんです。
試用期間終了時の「解雇」とは?
まず、試用期間とは何か、そして、その終了時における「解雇」がどのような意味を持つのか、正しく理解することが重要です。
試用期間の本質
試用期間とは、会社が新しく採用した従業員について、その人が業務に適しているかどうかを見極めるための期間です。
多くの人はこの期間を「お試し期間」のように考えがちですが、法律上は異なる解釈がされています。
試用期間の法的な解釈
法律上、試用期間中の労働契約は「解約権留保付労働契約」と呼ばれています。
これは少し難しい言葉ですが、簡単に言うと次のような意味です。
1. 解約権留保とは?
会社は、従業員が仕事に適していないと明らかに判断できる場合に、労働契約を解除(解雇)する権利を持っています。
つまり、「この人は業務に著しく向いていない」と会社が判断した場合、試用期間中であれば契約を終了できる、という条件がついている契約です。
2. 労働契約は成立している
ただし、試用期間中であっても、従業員と会社の間には正式な労働契約が結ばれています。
そのため、従業員は基本的な労働者の権利(給料の支払い、労働時間の制限など)が守られています。
まとめると、試用期間中とは、
「会社が一定の条件下で解雇できる権利を持ちながらも、従業員は正式な社員としての権利も持っている」
状態を指します。
試用期間中だからといって、会社が自由に解雇できるわけではありません。
あくまで“特別な条件下”でのみ解雇が認められている、という点がポイントです。
試用期間の実際の意味
試用期間中であっても、以下の点は重要です。
また、「試用期間終了による雇用終了」や「本採用拒否」という表現であったとしても、それは法的には「解雇」として扱われます。
そのため、会社側には正当性と適切な手続きが求められます。
試用期間中と終了後の解雇:違いと注意点
正社員としての試用期間中と、その終了後では解雇に適用される基準や手続きに違いがあります。
以下に詳しく説明します。
解雇の難易度
試用期間中の解雇は「解約権留保付労働契約」として扱われるため、一定の条件下では解雇が認められやすい傾向があります。
しかし、それでも客観的かつ合理的な理由が必要であり、「社会通念上相当」と認められる必要があります(労働契約法第16条)。
具体的には以下の場合が該当します。
- 著しい能力不足
- 勤務態度の重大な問題(無断欠勤や遅刻常習など)
- 経歴詐称
- 健康上の理由による業務遂行困難
試用期間終了後に行われる解雇(または本採用拒否)は、より厳格な基準が適用されます。
特に、「能力不足」や「勤務態度」を理由とする場合、それらを裏付ける具体的な証拠や記録(例えば評価シートや改善指導記録)が求められます。
単なる主観的評価や曖昧な理由では認められません。
解雇手続き
労働基準法第21条に基づき、試用開始から14日以内であれば解雇予告なしで契約を終了することが可能です。
ただし、この場合でも不当解雇とみなされないよう慎重な対応が求められます。
試用開始から14日を超えた場合は、本採用後と同様に30日前の解雇予告または解雇予告手当(30日分以上)の支払いが必要になります。
本採用拒否との関係
試用期間終了時に行われる本採用拒否は法的には「解雇」として扱われます。
そのため、試用期間中よりも厳しい基準が適用される可能性があります。
特に、本採用拒否の場合、
・「改善機会を与えたか」
・「具体的な問題点を指摘したか」
など、公正性と透明性が重視されます。
解雇理由:認められる場合・認められない場合
以下は、試用期間中および終了後の解雇理由について整理した表です。
認められる可能性が高い場合 | 認められない可能性が高い場合 |
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例えば、ある従業員が試用期間中に無断欠勤を繰り返し、業務遂行能力に関する指導を受けても改善が見られなかった場合、会社は合理的な理由として解雇を検討することができます。
一方で、『会社の雰囲気に合わない』という曖昧な理由では不当解雇と判断される可能性があります。
試用期間中の解雇の注意点と結論
1.慎重さと公正さ
試用期間中であっても安易な解雇は避けるべきです。客観的事実や合理性、公正さを欠いた場合、不当解雇として争われるリスクがあります。
2.相談先
解雇理由や手続きに疑問がある場合は、労働組合や労働基準監督署、弁護士への相談を検討してください。不当解雇の場合、裁判所への救済申立ても可能です。
3.企業側への提言
解雇を検討する際は、改善機会を与えた記録や評価プロセスを明確化し、公正かつ透明性ある判断を行うことが求められます。
結論として、試用期間中でも従業員には法的保護があります。
企業側も慎重かつ適切な対応を心掛け、不当解雇リスクを回避することが重要です。
◎解雇の有効性を判断する際は、以下の点を確認することが重要です。
- 解雇理由が具体的で客観的か
- 会社から適切な指導や改善の機会が与えられたか
- 解雇に至るまでのプロセスが公平で透明性があるか
- 解雇理由が就業規則に明記されているか
裁判所は試用期間中の解雇について慎重な姿勢を示しており、不合理な試用期間の延長や不適切な解雇理由があれば、解雇の有効性は認められない可能性が高くなります。
労働条件通知書の重要性
ここで、もう一つ重要なポイントがあります。それは、労働条件通知書の存在です。
労働条件通知書の重要性は、労働基準法第15条に明確に規定されています。
同法では、「使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない」と定められています。
具体的には、以下の項目を明示する必要があります。
これらの項目を書面で明示することは、使用者の法的義務です。
労働条件通知書を交付しない場合、労働基準法違反となり、30万円以下の罰金が科される可能性があります。
もし、あなたがこの書類を受け取っていない場合、それは雇用主の法令違反となります。
この点を指摘することで、交渉の際に有利な立場に立てる可能性があります。

もし労働条件通知書を受け取っていない場合は、まず会社の人事部門に正式に書面で請求してください。
それでも交付されない場合は、労働基準監督署に相談することを検討しましょう。このような行動は法的権利を守るための第一歩となります。
解雇予告手当について知ろう
突然の解雇通告を受けた場合、解雇予告手当について知っておくことも重要です。
労働基準法という法律では、会社が従業員を解雇する時のルールを決めています。
解雇予告手当の支払い期限は、遅くとも解雇の日までとされています。
また、解雇の理由を書面で説明することも、労働者の権利保護の観点から重要です。
これらの規定に違反した場合、使用者は6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金に処される可能性があります。
例えば、月給20万円の場合、平均賃金は200,000円 ÷ 30日 ≈ 6,667円となります。
この場合、解雇予告手当は6,667円 × 30日 = 200,010円となります。
ただし、この計算はあくまで一例であり、自身の給与明細を基に正確な金額を確認してください。
これらのルールは、従業員を守るためにあります。
項目 | 内容 |
---|---|
支払い条件 | 解雇日の30日前までに予告がない場合、または予告が30日未満の場合 |
計算方法 | 平均賃金 × (30日 – 解雇予告の翌日から解雇日までの日数) |
支払い時期 | 遅くとも解雇日までに支払う必要がある |
ただし、日雇労働者や2か月以内の短期労働者、試用期間中の従業員を雇用後14日以内に解雇する場合などは適用除外となります。
有利な条件を獲得するための交渉術
さて、ここからが重要です。
解雇が避けられない場合でも、あなたには有利な条件を獲得するチャンスがあります。
以下の点について交渉を検討してみましょう。
これらの交渉ポイントは、あなたの雇用終了条件を改善し、次のキャリアステップへの準備を整えるのに役立ちます。
解雇予告手当の確認と交渉
労働基準法第20条に基づき、30日前の予告がない場合は解雇予告手当の支払いが必要です。
具体的な金額(平均賃金の30日分)を計算し、確実に受け取れるよう交渉しましょう。
場合によっては、この金額以上の補償金を要求することも検討できます。
会社都合退職に扱うよう要求
会社都合退職と自己都合退職では、失業保険の受給に大きな違いがあります。
失業保険の受給開始時期
- 会社都合退職:7日間の待期期間後に受給開始。給付制限はありません。
- 自己都合退職:7日間の待期期間+給付制限期間後に受給開始。
※2025年4月以降の退職は給付制限が1か月に短縮されます(それ以前は原則2か月)。
失業保険の給付日数(例:45歳未満、被保険者期間5年以上10年未満の場合)
- 会社都合退職:180日間
- 自己都合退職:90日間
これらの違いは退職後の生活に大きく影響するため、可能な限り会社都合退職として扱ってもらうことが重要です。
ただし、企業は評判や採用への影響を懸念し、会社都合退職の扱いを避ける傾向があります。
そのため、粘り強い交渉が必要になることがあります。
交渉のポイント:
- 解雇や雇止めの場合は「会社都合」であることを主張する
- 退職届や離職票の退職理由欄の記載を確認する
- 円満退職」などあいまいな表現ではなく、明確に「会社都合」と記載してもらう

交渉時には、『この状況で私自身も困惑していますが、公正かつ適切な対応をお願いしたいです』というような冷静かつ丁寧なフレーズを使用すると良いでしょう。また、自分の要求を明確に伝えるために、『離職票には会社都合退職と記載していただけますか?』など具体的な言葉で話すことが重要です。
交渉時は冷静に自分の状況を説明し、会社都合退職の妥当性を主張しましょう。
必要に応じて労働組合や弁護士など専門家のサポートを受けることも検討してください。
退職日の設定
即日退職ではなく、数日後や週末までの猶予を設けることを提案します。
これにより、必要な手続きや個人的な整理の時間が確保できます。
有給休暇の金銭補償
試用期間中に付与された未消化の有給休暇がある場合、その買取を要求しましょう。
# 退職後の手続きの確認
会社を退職すると社会保険の資格を失うため、新しい健康保険への加入が必要です。
選択肢は以下の3つです。
- 市区町村役場で手続き(退職日から14日以内)。
- 必要書類:健康保険資格喪失証明書、身分証明書など。
- 前年度所得に基づき保険料が決まる。
退職前に加入していた健康保険を最長2年間継続可能(退職日から20日以内に申請)。
保険料は全額自己負担。
配偶者などが社会保険加入者の場合、その扶養に入ることも可能(所得制限あり)。
厚生年金から国民年金への切り替えが必要です。
- 手続き方法:市区町村役場で実施(退職日から14日以内)。
- 必要書類:年金手帳、健康保険資格喪失証明書または離職票、身分証明書。
支払いが困難な場合は「免除制度」や「納付猶予制度」を利用できます。
失業給付を受けるにはハローワークで手続きを行います。
◎必要書類:離職票(会社発行)、雇用保険被保険者証、身分証明書など。
ポイント:離職票記載内容を確認し、「会社都合退職」か「自己都合退職」かによる給付条件の違いを把握してください。
◎源泉徴収票
転職先で年末調整や確定申告時に必要。会社から受け取りましょう。
◎退職金
支払い時期と方法は就業規則で確認。不明点があれば人事部門へ相談してください。
◎貸与品や返却物
社員証や社用携帯など会社貸与品は必ず返却しましょう。
返却方法には以下があります。
- 対面返却:最終出勤日に直接返却。
- 郵送返却:出社できない場合は郵送も可能(添え状を添えると安心)。
交渉の際は、以下の点に注意しましょう。
これらの手続きを確実に行うことで、退職後の生活の安定につながります。
退職代行サービスの活用:試用期間中や本採用拒否時の対応策
試用期間中や試用期間終了後に突然解雇や本採用拒否を告げられた場合、精神的な負担が大きく、冷静に対応するのが難しいこともあります。
そんな時、退職代行サービスを利用するという方法があります。
退職代行は、会社とのやり取りを第三者に任せることで、スムーズな解決を目指す手段として注目されています。
退職代行サービスとは?
退職代行サービスは、従業員に代わって会社に退職意思を伝えたり、必要な手続きをサポートしたりするサービスです。
特に以下のような状況で役立ちます。
退職代行業者を利用することで、会社との直接連絡を避けられるだけでなく、法的手続きが必要な場合には弁護士など専門家のサポートを受けることも可能です。
例えばこんな退職代行業者も
退職代行サービスにはさまざまな業者があります。
例えば、「ガイア弁護士事務所」は弁護士が運営しており、不当解雇や未払い賃金、有給休暇の請求など法的交渉にも対応可能です。
また、「モームリ」は労働組合運営のため、費用を抑えつつ条件交渉ができる点で評判です。
退職代行時のポイント
- 試用期間中に突然解雇を告げられた。
- 本採用拒否に納得できず、交渉したい。
- 精神的負担から自分で対応するのが難しい。
まとめ:あなたの権利を守るために
試用期間終了時の突然解雇は、確かに大きなショックをもたらします。
しかし、適切な知識と対応策があれば、この困難を乗り越え、次のステップに進むことができます。
もし突然解雇されそうになったら、こう考えてみましょう。
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