社労士試験で択一式が30点台だった方へ
選択肢を2つまで絞ったがどちらが正解かまったく分からない選択肢を2つまで絞ったがどちらが正解かまったく分からない
社労士試験のうち「択一式試験」の総得点の合格ラインは、厚生労働省によって総得点70点中49点以上との基準が示されていますが、実態としては平成28年を除き7割弱の45〜46点で推移しています。
つまり少なくとも40点台後半の得点が必要で、さらに言えば確実合格のためにできれば7割以上の得点を目指したいところです。
一方、私の社労士試験受験1回目の択一式の点数は36点でした。ほぼ5割の得点率になります。
正解率5割、30点台半ばの得点と聞くと、
「更に知識を増やして2割弱ほど正解率を上げさえすれば合格ラインに到達!もう少しだね!」
と思いがちですが、実際には違います。
合格ラインには遠く及ばないというのが正解で、多少知識を増やせば何とかなるという段階ではありませんでした。
実際、確信を持って回答できた問題はほとんどなく、まったく手応えがありませんでした。
受験終了時にはいったい何点とれたか全く予測できませんでした。
正解率5割って所詮そんなものです。
何年も勉強を重ねてきたけど択一式で30点台の壁を超えれない受験生の方は多いと思いますが、本試験ではそんな感じだったのではないでしょうか?
さてそんな私でしたが、1回目の残念な結果を踏まえ受験2年目では勉強のやり方を変えることにしました。
結果として上記の課題をほぼクリアでき、本番では択一式で合格ラインを大きく上回る8割超えの57点を取ることができました。
この57点という択一式の受験結果は全受験生の中の上位3%以内に収まるようで、勉強方法が間違ってはいなかったのかなと思いました。
私のように、それなりに勉強時間は重ねてきたけれど択一式試験で30点台から得点力が伸びない受験生もかなり多いのではないでしょうか?
特に受験年数の長い受験生には、勉強量の割に成績が思うように伸びないという傾向があるように思います。
これからご案内する勉強の仕方が、そういった方の参考に少しでもなれば幸いです。
社労士試験の難易度を知ること
社労士試験は膨大な範囲から出題されるから幅広い知識を身に付けることに主眼を置きがちですが、学校の定期試験のように満点を目指すものではなく合格最低点のクリアを目指す戦いとなります。
どれだけ勉強してもそもそも満点を取ることはできません。
受験予備校の専任講師ですら満点が取れない問題に対して、一介の社労士受験生が満点を目指すような勉強をすること自体がそもそも間違っているということです。
社労士試験合格後に知り合った同期の社労士合格者で択一式で9割超えの方が2人いました
。
その方々と話をしてわかったのは、結果として9割超えを果たしたものの、本番では見たことない問題がいくつもあって試験終了後に何割正解できたかわからなかったと言います。
たとえ結果として9割正解している受験生であっても、その試験の難易度に圧倒されているという現実があるのです。
特に、合格率が10%を切る資格試験では資格試験特有の勉強の仕方が必要だと感じています。
確実な知識の積み上げが最も重要!
社労士試験受験1回目は厳しい印象しかなく大きな壁に跳ね返された思いでした。
しかし一方で、別の印象も受けました。
それは、
見たこともない問題は確かにあるが、勉強中に見たことがある問題もいくつも出題されていたということです!
つまり、
- どこかで見たことがある内容だけど、はっきり正確に覚えていない
- 選択肢の2つまでは絞れるが、どちらが正解がまったく分からない
→「結局正解できなかった」
これです!
これが正解率を上げられなかった大きな要因だったということです。
確実な知識に仕上げないまま本試験に臨むとこのような結果になります。
逆に、見たことがある問題でほぼ正解できれば、大幅に得点力が上がることが想像できると思います。
そのためには、
直前期には繰り返し問題を解いて、手がけた問題は100%解けるように仕上げる
この作業がとても重要になってきます。
ところが一般的な受験生は、直前期でも、新しい知識を詰め込もうとしてしまいがちです。
これでは、中途半端な知識だけが増えて、得点力が伸びないというジレンマに陥ってしまうのですが、その理屈もわからない受験生も多いので、ジレンマに陥っていることすらわからない場合が多いのです。
私の場合、2回めの受験では直前1ヶ月は大量にこなした問題の総仕上げに大半の時間を費やしました。
そのおかげで確実な知識が大幅に増え、一挙に得点力が上がったのだと思っています。
確実な知識とは、これまでにやった問題はすべて解けるレベルということです。
実際におこなってみるとわかりますが、同じ問題を繰り返し間違えます。
まさに、「これでもか」っていうくらいです。
そこを確実に拾えるかどうかが勝敗を分けるところであり、細かな知識をたまたま知っていると自慢している受験生には到底到達できないところでもあります。
また、問題集を繰り返す時に、正解できた問題を繰り返すのは効率よくはありませんね。
できない問題だけを次にやるようにすることです。
すべての問題を同じように繰り返していると、とても時間がかかりすぎるので繰り返しの時間が足りません。
でも、意外とすべての問題を繰り返す受験生が多いようです。
これでは、1回通しで問題演習をするのにかなりの時間がかかってしまいます。
できなかった問題だけを繰り返してできるようにする方がはるかに効率いいですし、一度解けるようになった問題は次も解けるものです。
(あまり期間を空けてしまうと、また解けなくなることもあるんですが・・・)
勉強方法が間違っている可能性がある?
かなりの勉強時間をかけたにも拘らず、本試験の択一式で30点台に留まり不合格になってしまった場合、勉強方法が間違っているというか、効率よく得点力を上げる勉強法ではなかった可能性があると思っています。
どういうことかというと、難関の国家試験の場合、
問題演習中心の勉強を組み込んでいかないとなかなか得点力が伸びないからです。
私も1回目の受験と2回目の社労士受験を通して、やはりそれは言えると感じています。
1回目の受験ではテキスト読みを学習の中心に置いた学習法でした。
でも、何回もテキスト読みを繰り返しても、本試験レベルの問題を解いてみるとまったく正解できない・・・・
そんな状況に陥っていました。
こんな状況ですと、テキスから問題演習の流れで勉強を進めていくと、1科目を終えるのに恐ろしいほどの時間がかかっていました。
このままでは本試験まで全科目手に付かないと焦って、科目横断のテキストを買ってきて勉強を始めてみましたが、これもまったくシックリきませんでした。
結局、どれもが中途半端になってしまい、1回目の受験は、今年の合格は無理かなという思いを抱えながらの受験でした。
2回目の受験にあたって、問題演習中心の勉強法に切り替えました。
そして、そのために答練中心の通信講座を受講することにしました。
おススメの社労士通信講座は、こちらを参照ください。
結果として、これが正解!2回目の受験では択一式で8割を超える57点の点数を取ることができました。
テキスト読みは極力減らし、問題演習を学習の中心に据えるやり方は自分にシックリきましたし、本試験でも、確実に正誤の判断の出来る問題が大幅に増えました。
自己採点しても、多くの受験生が正解できている問題はほぼ確実に正解できていました。
勉強できる時間は無限ではありません。
いかに効率よく合格力を身に付けるかをまず考えなければいけないのではないでしょうか?
そのためには、問題演習を学習の中心において実践を積み重ねていただければと思います。
具体的な勉強方法は社労士合格脳になるために 問題集はまず解かないで紹介しています。
択一式問題は時間との闘いでもある
社労士試験の択一式問題は基本的に正しいもの(間違っているもの)を一つだけ選ぶという形式です。
司法試験のような、正しいもの(間違っているもの)がいくつあるか答えるものではないということです。
実はここが択一式で重要なポイントなんです。
どういうことかというと、
例えば間違っているものを選ぶという設問の場合、上から順に解いていくと、仮にAが間違いであることがはっきり確信できた場合、後の設問は読む必要がなくなります。
これは「Aが絶対間違いだ」と確信した場合でないといけませんが、問題の中には確かにそのような問題もあります。
Aの選択肢しか読まいで済ますことができれば大幅な時間短縮になります。
このように、問題によって時間をかける、かけない、と判断しながら問題を解いていくことで、時間との闘いに有利に展開できるようになります。
ちなみに、確信的に間違いだと判断できても、万が一を考えて、読み返しのときに他の選択肢も読んでみることは確実に正解できる確率が増えます。
ですから、問題用紙に〇とか×の表示を付けておくと読み返しのときに便利です。
受験を通して私が感じた事
まず、この社労士試験は択一式、記述式ともに各科目で基準点を設定し足切りを行うという特徴があります。
択一式、記述式の総合点で合否を判定すれば簡単に実力者を選別できるのに、上記のような大変面倒な判定をするということは、そこに出題者側の強い意図が窺えます。
つまり、
どの科目についても満遍なく広い知識をもった者を合格者にしたいという意図です。
したがって、どの科目も均一に学習する必要があると同時に極端な不得意科目を作らないよう一定のレベルに達する必要があります。
その不得意科目ですが、労安とか一般常識の科目を苦手な受験生は多いと思います。
確かに難しいのでしょうが、
勉強していないから苦手になっている受験生も多いのではないでしょうか。
逆にいえば、
そこそこの勉強をすれば他の受験生と比較して十分得意科目にできるということです。
なぜそう感じたかというと、まだまだ学習が足りないと感じながら受けた一般常識科目の答練の結果において成績上位者に自分の名前をみつけ驚いたことがあったからです。
次に、上でも書きましたが、問題演習を通じて、『確実な知識』が身についているかどうかが大変大切であるということも強く感じました。
5肢のうち4肢がまったく知らない問題でも、
残り1肢に完全な正誤の判断ができれば正解に至る
そんなケースも少なくありません。
ただこの『確実な知識』は時間を置くと『不確かな知識』に変わってしまいがちですから繰り返し学習することが必要です。
それから直前期の学習が合否をかなり左右すると感じました。
私も直前2ヵ月になってからスーパー答練・実力答練の総復習に入ったところ、前に学習したことをかなり忘れてしまっており大変焦りました。
他にも法改正、白書、一般常識などやるべきことは山ほどあります。
これまでにやった問題だけでも相当の量があり復習にも時間がかかりますので、新しい問題にはいっさい手をつけず、ひたすらできるようになるまで繰り返しました。
それまでは1日5時間勉強するのが限界でしたが、直前1ヵ月の期間は平均すると6時間ほど勉強し何とか詰め込みました。
早くこの苦しい時期がすぎてほしいと願いながら勉強したものです。
しかし、この時期でかなり実力をつけたと思います。
社労士試験合格の勉強方法は人それぞれ
以上色々と述べましたが、勉強方法は各人さまさざまで当然です。
私の場合、過去問題集はほとんど使わず、条文集、白書は購入さえしませんでした。
過去問題は重要ではないということではなく、答練に重要な過去問がすべて含まれていたのでわざわざ過去問題集をやる必要がなかったわけです。
また、白書は購入しても、どこが出題のポイントが分りませんね。
これを最初から読んでいる余裕は普通の受験生にはないわけで、その道の専門家に読んでもらい、出題可能性の高い箇所を選んでもらうほうがはるかに効率的です。
労働法全書については、使用するテキストにもよりますが、そこそこの分量のあるテキストであれば多くの重要条文は掲載されているはずです。
私は2回目の合格時のときは全書を購入すらしませんでしたが、全書で調べたいということは一度もありませんでした。
また、サブノートを作るっていうのも人それぞれでしょうが、私が考えるに、まずサブノートにまとめるということは作業であり、そもそも勉強ではないと思っています。
仮にサブノートを時間かけて作っても、これだけでかなりの時間を費やすと思います。
でも、実際に実力に反映してくるのは、まとめられたサブノートを活用することですよね。
使って初めて効果が出てきます。
それよりも、テキストなどに書き込んでいくほうがはるかに効率的だと私は考えます。
ただ、表などにまとめて暗記するとか、何回やってもできない問題だけを書き出すとかで活用されるなら有効かもしれません。
よくある勉強法の極意などで紹介されているのが、間違いノートを作って、それを読み返すってものです。
これは役立つかなとは思いますが、私はやりませんでした。
それよりも、問題演習で正解できなかった問題だけ繰り返すことことで同じ効果を得ることができたからです。
いたずらに受験界の定説に固執することなくオリジナルの勉強法を確立されることが大切だと思います。
おススメの社労士通信講座は、こちらの記事で紹介しています。
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