社労士合格に必要な勉強の継続力とは?
どんなにすばらしい能力やテクニックがあっても、継続して勉強ができなければ勝利の女神は決して微笑んではくれません。
これは、社労士試験勉強に費やす時間が十分にある方にも、仕事や家事・育児などと勉強を両立させなければならない環境の方にも十分当てはまることです。
いろいろな社労士合格者と話しをしていても、モチベーションを維持して毎日コツコツ勉強を続けていくことは大変な苦労だったと聞きます。
「いや、自分は毎日継続して勉強する習慣が身に付いている。」という方は別ですが、
「やる気はあるが、なかなか継続して勉強できない。」
という社労士受験生の方は多いのではないでしょうか。
ところが不思議なことに、合格体験記を読んでも「どうすれば継続して勉強できるのか」が書かれたものはあまりありません。
継続して学習を進めた人にだけ、合格のチャンスが訪れるのですから、どうすれば勉強できるかということは重要な論点となるはずです。
私の場合、受験期間の中で最も苦労したのが、
「いかに勉強のモチベーションを維持するのか」
という点でした。
人によっては「勉強するのは当たり前」と言われるかもしれません。
しかし私の場合は、情けないことに1 時間くらい勉強していると集中力が極端に落ちてきます。
「かならず社労士試験に合格したい!」
その気持ちはずっとあったのですが、私にとって、いかに集中して勉強を持続させるかというのが大きな問題でした。
世にある指南書の中には、合計800 時間あるいは1000 時間の学習時間を確保できれば社労士合格ラインと書いてあるものもありました。
それ対し、私は、
「じゃあ、どうしたらそれだけの時間勉強できるようにモチベーションを持っていけるの?」
と突っ込みたくなる思いがしたものです。
集中して勉強できる環境を作る
自分の経験を振り返ると、1回目の受験の時には、眠気と闘いながらダラダラと夜中まで勉強を続けているときが多かったです。
特にテキスト読みはすぐに眠気が襲ってくるので、内容がなかなか頭に入ってこないという経験を何度もした覚えがあります。
ダラダラ勉強の1時間より集中した30分のほうがはるかに効率はいいですよね。
そこで、眠気を我慢して勉強するより、早起きして勉強するように生活のリズムを変えました。
でも、正直、これは簡単ではありませんでした。
いつもより早く起きるのってツラいです!
特に寒い時期は本当にツラい!睡魔とか寒さとの闘いです。
でも、慣れてくると何とかなります。
そして、朝の勉強って思ったよりはるかに集中して勉強できるんですね。この勉強法に切り替えたことで大きく社労士試験合格に近づくことができたと思っています。
私にとっては、夜の勉強と違って、朝の勉強は出勤の時間という絶対的に終了しないといけない時間があるので、確実に切り上げないといけない環境にあるわけです。
「あと何分」という時間制約の中での勉強なので、否が応でも集中力は上がりますし、せっかく苦労して早起きしたのだから無駄にできないという気持ちになるんですね。ダラダラ勉強することはなくなりました!
大学受験の時もこんな勉強をしておけばよかったとつくづく思ったものでした。
思い切った投資をする
昨今の難関試験を突破するためには、多少費用がかかっても受験予備校などの提供する最新の教材(講座)を手に入れることは十分な意義がある ことだと思います。
なぜなら、以前と比べ、社労士試験科目の出題についての分析や対策という、いわば「社労士合格ノウハウ」がかなり研究されてきて、社労士受験が情報戦になってきているといえるからです。
すべてを自分でやる独学という選択肢もあるでしょう。
独学であれば、たしかに試験勉強にかかる費用はかなく抑えることはできるでしょう。
しかし、一方で効率よく勉強するという手段を放棄することにもなります。
社労士試験を日夜研究し、専門家として受験生に講義を行い、テキスト、問題集を作成している方の知識・テクニックを学んで、合格ラインに近づける方法を知ることは情報時代の今であれば重要なことだと思います。
例えば、白書からの出題に備え、「労働白書」「厚生白書」を購入し一から読み始めるのはバカげています。
(受験1回目の私がそうでした)
予備校の専門家が時間をかけて出題予想をしてくれるのですから、利用しない手はないでしょう。
わずかな投資を惜しんだがために、それで何年も受験勉強に費やすことになったら、本末転倒といわざるを得ません。
ある程度の投資は必要と考え、時間をお金で買うという考えも必要なのではないかと思います。
さらにこれには、大きな副産物があります。
投資額が大きいと、これを無駄にするわけにはいかないという強い心理が働くからです。
私も、2度目の受験では教育訓練給付金を利用し、かなりの還付金が期待できたとはいえ、大枚はたいて費用20万円を超える社労士通信講座を受講するのは、とても勇気がいりました。
貧乏性の私は大きなプレッシャーであると同時に、大きな発奮材料になったものです。
教材というものは1年で終わり。改正も多い試験なのに去年の教材使うなんてとても効率悪すぎです。
修正する作業だけで膨大な時間がかかります。
なお、社労士通信講座のなかには、フォーサイト講座のように、具体的な勉強方法を教えてくれ、教材もそれに沿った形で提供してくれる通信講座(価格も安い)もありますから、そのような講座を選べば不安なく勉強に臨めるでしょう。
思い切って休憩を積極的に取ること
社労士試験の受験申込数と実際の受験者数のデータを調べてみるとわかるのですが、4人に1人は受験を取り止めています。
勉強は始めたものの、受験申込みにまで至らなかった層はかなりの数にのぼることがおわかりいただけると思います。
では、
勉強の意欲を継続し挫折することなく本試験に受験に臨むために、どのような手法があるのでしょうか?
アメリカの海兵隊
世界最強といわれるアメリカの海兵隊の厳しいトレーニングは、けっして40分より長くなることはなく、その間に必ず10分以上の休憩をはさむといいます。
そうです!
小まめに休憩を入れることが重要です。
私の場合は、1時間勉強したあとに10分の休憩をはさむというやりかたが合っていました。
また、休憩時間をどうすごすのかは各人の好みもあるでしょう。
私は、合格体験記を読むことを習慣としていました。集められる範囲の合格体験記を集め、繰り返し読みました。
同じ文章をいったい何回読んだだろうと思えるくらい読みました。
学習が進むにつれて、学習上のいろいろな疑問が出てきます。
など、いろいろです。
不安になって、ついつい合格体験記にすがるということがしばしばでした。
実際には、合格体験記を読んでも疑問に答えてくれるそのものズバリが書かれてあったということはあまりなかったと思います。
しかし、合格体験記を読むことで自分の進みたい方向性をみつけることはできました。
休憩を小まめに入れることは時間のロスと思いがちですが、集中力が低いのに勉強を続けるよりもはるかに効率はよいはずです。
「1 時間勉強したら10分間休憩する」
このように同じリズムを作ることで勉強を習慣化することができるのです。
- 「このペースでいいのだろうか」
- 「過去問題はやはりやるべきだろうか」
- 「一般常識の対策はどうしたらいいだろう」
学習計画、勉強時間を記入する
試験勉強に費やす時間は無限ではありません。
それは、もちろん当たり前のことなのですが、難関資格の受験勉強は長丁場ですから、ついつい色々なことができると思ってしまいがちです。
社労士合格に万全を期したいために、「テキスト」「過去問題集」「予想問題集」「サブノート」「労働法全書」「労働経済白書」・・・・・・などなど、色々な教材が必要だと考えがちです。
しかし実際に学習計画を立ててみると、できることはとても限られていることがわかります。
一般的に社労士試験の試験科目にゼロ知識から本試験合格を目指す際にはおよそ「約800〜1000時間」のラインが社労士試験合格までの勉強時間だといわれています。
これは通学タイプの資格学校の講座で設定されている時間数や、書店で販売されているテキストで表示される一般的な数字で、期間で言えば「6ヶ月〜1年」となります。
週に6日間は試験勉強にあてたとして、標準的な学習時間をカバーするには1日当たり3時間ほどの時間を要する計算になります。
大学生や現在は無職の方であれば、試験勉強に傾ける時間を多く取れますから、比較的速いペースで学習時間を消化することができます。
しかし社会保険労務士試験の受験者の大半を占めるのは、すでに他の仕事に就いている方なので、上記の1日あたり3時間というのは限界ラインの数字だといえますね。
ただ、仕事の中では資格勉強の時間を取れない日も多くありますので、1日あたり3時間を越える時間を確保して、合格までの勉強時間できだけ前倒しにしておくことも大切になります。
とはいっても、勉強期間のすべてで1日3時間は他に仕事を持っている方などではとても厳しい設定時間だと思います。
ポイントは、本試験の直前期にどれだけ勉強時間を取ることができるかです。
直前の1カ月は苦しくても1日5時間の勉強時間を設定できると、この時期に大幅に実力を伸ばすことができます。
逆に、直前に集中した勉強時間が取れない場合は、本番ではかなり苦戦するということを覚えておいて下さい。
直前期までの勉強期間は、直前期に一気に実力を伸ばすための長い準備期間なんだと思って下さい。
ですから、あまり欲張らず、自分の選んだ教材を最後までやり抜くことが大切です。
どんな教材を選ぶかより、何を捨てるかという割り切りのほうが大切だともいえます。
ここでのポイントは、
ゴールから、つまり「社労士試験終了時に合格答案が書けている」時点から逆算して計画を作りこむ
ということです。
具体的には、まず本試験当日までにこなすべき教材をすべて書き出します。
次に、例えば「テキストは何回読んだのか」「問題演習はどれだけの量をこなしたか」を最終月のカレンダーに書き出します。
こうすれば、それをこなすためには各月にどういうスケジュールが立てればいいのかがわかってきます。
社労士試験の直前期、特に最終月(8月)には、総復習以外に白書対策、改正点のチェックなど、やらなければならないことがたくさんあります。
まさに臨戦態勢です。問題演習中心で学習を進めてきた方はこれまで手がけた問題を100%解けるように直前期で仕上げていきましょう。
できれば、この総復習の時期は2か月くらいあると薬です。問題演習を多くこなした方だと、1か月の期間だけでは正直短いと思います。
自分の選んだ教材の内容がしっかり頭にインプットできるよう、この直前期に入るまでにしっかり準備しておく必要があります。
大事な直前期を充実させるために、それ以前の準備期間があるわけです。
受験生の中には、模擬試験では抜群の結果を出してもそれを維持できず、本試験では実力が下がってしまって不合格という場合もあるようです。
本試験数か月前に、実力がピークになってしまい、何をやればいいか迷ってしまい、実力を上げるどころか、さがってしまう場合があるのです。
計画なく勉強を続けてしまうと、こんなことも起こりえますから、多少時間がかかっても、最初に学習計画を立てるべきだと思いますが、いかがでしょうか?
スケジューリングをしていくと、意外と残された時間は多くないことに気付きます。
そこで、市販の薄い手帳などで、その月の学習予定と一日ごとの学習時間を記入していきます。
こうしておくと、この月はどれだけ勉強したか一目瞭然でわかるということもありますが、実際には、計画通りに進まないので、その都度、微調整をしていきます。
ここでの注意点は、余裕のある計画を立てるということです。
私の場合は、週に1日は予備日としてオフの日を設定して調整していました。
次は、
闇雲に勉強するのではなく、合格最優先の考え方について説明します。