社労士試験の難易度を自分で決めつけていませんか?
社会保険労務士試験というと、簡単には合格できない、難易度の高い国家試験というイメージを持たれる受験生はとても多いと思います。
実際、私もそうでしたし・・・。
確かに、平成27年度の社労士試験は鬼の2.6%という信じがたい合格率でした。
それまでが低くても5%台でこれは例外という見方だったので、社労士受験業界は騒然となりましたね。次の年の平成28年度の合格率は4.4%と少し回復しましたが、、それでも史上2番目に低い合格率であることは事実です。
昨今の合格率はある程度安定はしてきたものの、以前の過去問題をみてみても、あまりに細かい内容の問題がよく出題されるので、相当な細かい知識を積み上げないと合格できないという思いにさせられてしまいます。
『社会保険労務士試験は難しい』
『社会保険労務士試験に合格するには、1年の勉強期間では難しい』
そんなイメージが先行していますよね。
確かに、試験問題の難易度という点では難しい試験といえるのかもしれません。
しかし、そのすべての問題に正解しなければならないわけではなく、実は、高得点で社労士試験に合格した猛者ですら、余裕ですべての問題を解けるわけではなく、本試験はやはり難しかったという感想が大半というのが現実です。
確かに出題される問題はとても難しい問題も多いのですが、
受験生のレベルと社会保険労務士試験のレベルには大きな開きがあるのことをまず理解することが必要です。
具体的に、私の体験でご紹介しますね。
社会保険労務士試験で合格するには、択一式で約6割の得点が必要ですよね。
では、実際に、問題を解いていて6割取るという感触はどんなものでしょうか?
私は本試験で6割取ったという経験がないので正確にはわかりませんが、5割と8割の経験はあります。(極端ですね・・・)
5割のとき(1回目)は、問題を解いていても正解できたのかどうか、どの問題も自信がない状態です。
まさに雲の上を漂うような感じ・・・です。いったい何割正解できているのか予測すらできません。
消去法で解いていくのですが、正誤の判断がつかない肢ばかりで消去ができません・・・・。
しかし、そんな状態でも5割の正解を残しているのです。
では、8割正解できたとき(2回目)の感覚は、どのようなものでしょう。
私の感覚では、最低半分は取れているだろうなという感触です。
結果的には8割正解できていても、実際に試験終了後の自己採点では、この程度の認識しか持てないのです。
ちなみに、私の知り合いで、択一式問題で61点という9割近い高得点を取った方がいます。
その方の試験直後の自己採点は、41点+αでした・・・。
いかがでしょうか?
9割近くの正解率を誇る合格者でも、試験直後の感触は意外と低いと思われたのではないでしょうか。
しっかりと受験の準備をしてきて結果的には高得点の合格者ですら、本試験ではあまりに高い壁に圧倒されてしまうのです。
それは、先に書いた通り、
受験生のレベルと社会保険労務士試験のレベルには圧倒的な実力の開きがあるからなのです。
試験の合否は、みなさんが思っているよりもずっと低いレベルで決まっているのです。
これは社会保険労務士試験に限らず、どの難関試験でも同じことが言えると思いますが、まずこうした前提を理解しておくべきです。
そうでないと、闇雲に細かな知識を追い求めたり、ついつい、さまざまな講座(直前対策講座、総まとめ講座)を申し込んだり、たくさんの模擬試験を受けて、どれも消化不良になったりします。
そうすると、試験合格までに膨大な期間がかかったりついには受験を諦めてしまいかねません。
ですから、
高得点で安全に合格しようという発想ではなく、
「正解率の高い問題を確実に正解」するという大原則を常に念頭において受験準備に取り組んでいただければと思います。
司法書士という難関試験がありますが、この試験に合格した方の合格体験記を読んだことがあります。
受験予備校に通っていて、基本テキストと基本問題だけをひたすら繰り返したという方でしたが、常に予備校の試験では成績トップだっということです。
いかに確実な知識が大切かという事例ではないでしょうか。
社労士試験の難易度を他の資格と比較
では、社会保険労務士試験の難易度を他の資格と比較してみましょう。
国家資格にもいろいろありますが、試験の難易度が高くなるほど合格率も低くなる傾向がありますが、その代わり資格を取得すれば一生の仕事にする事もできます。
社会保険労務士の試験は、ざっくりとしたいい方ですが、国家試験の中では難易度は高い方だと思います。
そして、独立も可能な人気資格として難易度も上がってきました。
20年前の難易度とははるかに違っていて、その時期に社労士試験に合格した知り合いの開業者の方からは、
「今の社労士試験は本当に難しくなったね」と聞きます。
同じくらいの難易度としては、これまで行政書士や中小企業診断士などが言われてきました。
でも、社労士試験の合格率で見ると、平成27年度に2.6%という試験史上最も厳しい合格率になりました。
それまでは、たまに10%を超えるが、5〜9%の間で推移していました。
平成28年度の合格率は4.4%と、少し前年度よりも回復しましたが、、それでも、史上2番目に低い合格率であることは事実です。
社労士試験は、以前に増して超難関試験というイメージがすでに定着してて、今や行政書士や中小企業診断士を難易度では引き離しつつあるかもしれません。
あまり参考にならないかもしれませんが、個人的に体験した感覚ですと、社労士試験と宅建試験では勉強のボリューム量からいくと、3倍以上の勉強量が必要だと思いました。
次に、国家資格の中でも超難関として知られている法律関係の資格で司法試験以外の資格といえば、司法書士と税理士です。
この2つと社会保険労務士を比較した場合は、社会保険労務士の方が難易度としては低くなります。
ただしこちらも受験科目が大きく異なるので、進路を決める場合は途中で変更するのは少し難しいかもしれません。
国家試験の中でも比較的難易度が高いと言われているものと比較しましたが、資格を取得した後仕事に繋げやすいのは、社会保険労務士が一番だと言われています。
それは、開業の道以外に就職の際に有利に働くという面も含めて仕事に繋がりやすいということです。
ハローワークの求人でも社労士資格が必要な求人が幾つか見つけられます。
また年金制度が改正されるといった事も関係しているので、今後社会保険労務士の需要は高まることが予測できます。
資格取得後すぐには無理でも、経験を積みいずれ独立を考えている場合も、社会保険労務士は独立しても成功しやすいと言われています。
私自身は、社労士として独立して働いているわけではありません。
でも、同期合格の10人ほどの仲間(県の社労士会で主催した独立開業講座に出席した仲間です)は自分ともう一人以外は全員開業しました。いまも、自分の得意分野を見つけて廃業せずに頑張っています。
私は、開業という道以外に社労士資格を生かした仕事を見つけることができたので、転職して、今は楽しく仕事をしています。
資格があるということ以外に、社労士試験合格後にさらに専門書などで学んだ知識が今の仕事にとても役立っていますし、周りからも色々と労務、社会保険制度などの内容について聞かれることも多く、社労士資格を取ったことはいろんな意味で役立っていると感じています。
多数の資格を取得する事で自分に箔をつけるという考え方もありますが、社会保険労務士の資格は確実に仕事に繋がる事から、浅く広くよりも、狭く深く狙う人に向いていると思います。
高卒の方だと、短大卒以上の受験資格をクリアできる行政書士の資格を持っていると、社会保険労務士の受験も可能になるので、まずは行政書士を目指すという選択肢もあります。
社労士試験合格後のビジョンを持つことは大切か
よく、試験合格のモチベーションを維持するためにも、合格後の自分の将来の姿をイメージしておくとよいと言われます。
私的には、そのあたりは結構微妙かなと思っています。
例えば、具体的な合格後のイメージを持つために、あなたが社労士で開業している方を探して話を聞いてみようとして実際に聞いてみたとします。
結果は必ずしも吉になるとは限りません。
例えば勉強が昔から得意で社労士試験に合格し開業したが、お客さんがなかなか見つからずバイトしながら営業活動しているとかの話を聞かされるかもしれませんね。
あるいは、結構飯を食っていくのは大変だから慎重に考えた方がいいよとアドバイスされるかもしれません。
いや、逆に、こんな素晴らしい資格はないから早く合格してこちらの世界で一緒に頑張っていこうといわれるかもしれません。
つまり、現実を知ることが必ずしも試験合格の支えになるとは限らないのです!
逆に、やる気をなくす可能性も十分あり得ます。
ですから、私の考えですが、受験生の間はそのような情報はシャットダウンして合格をひたすら目指せばよいのではないかと思います。
仮にどうしても合格者の話を聞きたいなら、1人ではなく何人もの人の話を聞いた方が良いと思います。
ちなみに、自分の場合は、社労士の資格を取って本当に良かったと思えた側です。(^_^)v
難易度に振り回されず最短で効率よく合格を目指したいですね
合格するには、合格するための学習方法があります。
それは、試験に出るところだけを集中して学習することです。
一般的に、試験と関係ないような細かい点にこだわってしまう人は、合格まで時間がかかります。
特に、試験直前になってもこだわりを捨てられないと、;「マニアックな知識はあるけど、合格できない人」
になってしまうので、思い当たる節がある人は、意識して直しましょう。
細かい点にこだわる人は、まじめで勉強家な人が多いようです。
「将来資格を取って実務をするときに必要になるだろう」
と、試験にでる点を超えて背景を調べたりしてしまいます。
確かに、実務に必要は知識もたくさんあるでしょう。しかし、まずは合格です。
合格しなければ、実務も関係ありません。
実務に必要な知識は、合格してから習得すること。
これを、頭に叩き込んでください。
また、あくまで、今の時期だからできることであって、本来ならば時間をかけるところではないので、仮に調べるにしても「10分まで」など、はっきりと時間を区切っておくことが必要です。
調べたりするのは、学習の時間ではなく、趣味的な時間なので、それをやったからといって、学習した気にならないこと。これも大事です。
私も勉強していくと、次々に疑問が出てきました。
テキストに載っていなければ受講している学校に質問をしょっちゅうしていました。
しかし、誤植であることも多かったですし、中にはかなりマニアックな質問もあったらしくて、社会保険庁に問い合わせて回答いただいたこともありました。
でも、勉強していくうちにはこの疑問点はマニアックなのかどうかさえわかりません。
「そこまで気にする必要はありませんよ」
と回答いただければよかったのでしょうが、回答側からすれば質問にはしっかり答えなきゃいけないといういしきもあったのでしょう。
ですから、疑問点をクリアにするのは大切だけど、深入りしないという意識も大事なのかなと思います。
また、疑問を持てるには、最低でもテキストを一通り読まないと、不明点や調べたい点がわかりませんね。
それができていなければ、まっさきにテキストを通読することから始めることです。
今自分は何をするべきなのか。常に考えて学習計画を作って行きましょう。
学習計画の大切さ
受験生としては逆算型スケジュールで学習計画を立てるべきです。
自分の性格に合わせて、毎日きっちりスケジュールを追うか一週間位の間で調整できれば良しとするか、
それも考えましょう。
スケジュールが大事なのは、それがないと、今どの段階まで来ているのか、遅れているのか早いのか、それすらも分からないからです。
それが分からないと言うことは、休みも取れないと言うことです。
「今日は休みたいけど、休んだら遅れてしまうかもしれない」
と、常に不安に思っていたのでは、仮に休んだとしても休養にはならないでしょう。
スケジュールさえしっかりしていれば、どの程度余裕があるのか、どこで頑張れば良いのかが自分で管理できます。
資格の学習は、他人に強要されてやるものではありません。その分、進捗管理も自分で行わなければなりません。
そのことを考えて、常に逆算型で進捗具合を把握し、確実に試験日までにやるべきことをやりましょう。
次は、社労士試験を含め、資格試験に合格しやすい人について説明します。