合格の確率論を理解しているか
いくら試験勉強を重ねても社労士試験本番で満点を取ることはできません。
受験予備校の専任講師でさえ、本試験の問題を何人かで取り囲んで正解を出すほどですから、
一受験生がすべての社労士問題をコントロールできるはずがないのです。
でも実際には、
知らず知らずのうちに満点を取りにいく勉強方法になっている受験生が多いのではないでしょうか?
さらに、出題範囲の広さに圧倒される受験生も多いはずです。
勉強を始めて、「社労士試験ってこんなに範囲が広いの?」
と、戸惑ったり勉強自体をあきらめる受験生も多いのです。私の周りでも、社労士の勉強してみようと思ったけどあきらめたっていう人が結構いましたね。
ですから、ただやみくもに勉強するだけでは、よほどの勉強時間の余裕があるか、モチベーションが高い人でないと社労士試験に実際に合格するということは難しいでしょう。
勉強していく中で、いろいろな疑問点は出てくるでしょうが、テキストにも載っていないような細部の知識を追求していては勉強が進みません。
もちろん満点を取る必要がないことはおわかりでしょうが、あまりに難問と感じる本試験の問題をみたりすると、実際にはついつい満点を取るような勉強をしてしまいがちなんですね。
社労士試験合格には、こうしたいくつかの高い障壁があるため、勉強の途中で受験をあきらめる方が多いのです。
では、社労士試験の合格ラインである6割正解を確実に達成するために、8割解ける実力を身に付けようとする考え方はどうでしょう。
実際に、日本を代表する大手資格スクールが開講する「社労士受験講座」の中には、「合格ラインを大きく超えて余裕で合格しましょう」という再受験生向けで実力者向け選抜のコースがあります。
でも、私はこの考え方は少し危険があると思っています。
満点を目指さないまでも、手を広げすぎてしまう傾向があるからです。
つまり、6割取れる実力を8割に引き上げるのって相当な知識量の上積みが必要ですから、勉強法自体を変えないといけないくらいのレベなんですね。
それよりも、最短で効率よく合格することの方が大事だと思うんです。
社労士試験の本番で合格点を取る上でぜひ意識していただきたいことがあります。
それが解答の確率論を理解するということです。
これは、
正解率の高い問題をいかに確実に得点できたかが勝敗を決定する
という確率論のことです。
社労士本試験で9割の正解を誇る合格者であっても、正解率が2割とか3割の問題は苦戦しています。(実際に、9割以上の得点を上げた試験合格者の知人数人に聞きました。)
逆に、正解率が5割以上の問題であればほぼ確実に正解できているはずです。
では、本試験での正解が5割だった社労士受験生の場合はどうでしょうか?
正解率が2割とか3割の問題は、9割正解の合格者同様に苦戦しているはずです。
また、正解率が8割、9割という問題はかなりの確率で正解できているはずです。
ところが、正解率が5割前後の問題では結構取りこぼしが多いと思います。
少し回りくどい書き方になりましたので整理しますと、
・得点9割の受験生・・・2〜3割正解率の問題は苦戦、5割以上の正解率の問題は確実に正解
・得点5割の受験生・・・2〜3割正解率の問題は苦戦、8割以上の正解率の問題はほぼ正解だが5割前後正解率の問題は取りこぼし多い
9割の合格者と5割の不合格者の正解率の違いは、
正解率が5割以上の問題をいかに確実に正解できたか
という差であることがわかります。
ここがポイントです!!
こうしてみると、正解率の高い問題を確実に解ける実力があるかどうかが得点力に大きく影響してくることがわかります。
社労士試験の各科目の知識はあまり変わらなくても、確実に易しい問題を正解できるかどうかで、実に5割から9割まで得点の差が開いてしまうこともあるのです!
では、5割以上の正解率の問題は確実に正解できるようになるにはどのような対策が必要でしょうか?
繰り返しテキストを暗記できるようになるくらいまで読み込むことでしょうか?
いや、実は、繰り返しテキストを繰り返し読んでも確実に問題を解けるようにはならないんですね!
そもそも、テキスト勉強だけですと、問題を解けない状況に陥ってしまいます。
もし、あなたがその状況に陥っていても、これはみんなが経験することなので、あなただけではありません。
問題演習を繰り返すことでしかこの状況を変えることはできません。
問題の質も大切ですが、とにかく多くの良問を繰り返し解いて完全に正解できるようになるまで仕上げることで5割以上の正解率の問題を確実に正解に解く実力が身に付きます。
私自身が2回目の社労士試験受験で痛切に感じたことです。
教材を絞って覚えるべき事を限定すること
これまで書いたように、社労士試験の出題範囲は実に膨大です。
ですから、「出題される可能性が高いポイントだけを効率良く」学ぶ視点が大切になってきます。
実際、何年かの過去問をみてみると、毎年若干問い方を変えて出題されている重要項目が、いくつもあることに気が付きます。
ここの重要ポイントと言われるところが絶対に抑えないといけないところです。
合格者が確実に正解していくポイントですから、ここで失点してしまうと超難問を解けないと合格が見えてこないです。
もちろん、それだけでは合格ラインを満たすことは厳しいですが、頻出箇所が押さえられているかどうかは、合否に大きく影響する非常に大切な要素です。
この確率論を制するために大切なポイントのひとつが直前期の過ごしかたです。
詳しくは、こちらからどうぞ!