社労士試験 科目別 勉強法

社労士試験科目別の勉強法

社労士試験科目は大きく分けると、労働科目・社会科目・その他の一般常識科目になります。
それぞれの試験科目別の傾向と対策を練ることで、より効率よく試験合格につなげることが可能です。

 

見落としやすい「一般常識」科目と「労働安全衛生法」科目

「一般常識」科目は出題される法律が多く、なおかつ、法規から労働経済、労務管理用語など、とにかく出題範囲が広いことが特徴です。

 

白書の発行は遅い段階でなされますし、多くの講座では最後に勉強する科目として開始されますので、勉強自体も後送りにしてしまう傾向にあります。

 

とにかく範囲が広いために、超難問もしばしば出題される難関科目の代表格で、多くの合格体験記で苦手科目のトップに挙げられる科目です。

 

難しく出題しようと思えばどれだけでも難しくできるという科目ですから、受験生からすると、とてもやっかいな科目といえるでしょう。

 

また「労働安全衛生法」科目の出題傾向は、易しい問題が続けて出題されたかと思うと、逆に超難問ばかりが出題される、というように不安を駆り立てる問題設定になっていることが多い科目です。

 

しかも、難問の多い「労働基準法」と一体になっているため、「労働基準法」が難問続きであった場合に、「安衛」が苦手だと、足切りを心配しなくてはならない事態になりかねません。

 

これらの科目については、

 

  • 「あまりなじみがない」
  • 「出題範囲が広い、覚える量が多い」
  • 「模試などを受けて、たまたま点数が悪かった」
  • 「試験直前でないと出題範囲がはっきりしない」

 

などの理由から、

 

「あまりその科目を勉強しない」→ 「苦手意識が働き後回しにする」

 

という典型的なパターンに陥る受験生が多いと思います。

 

私の場合も、1度目の受験では、この2科目はまったくといっていいほど「できない」科目でした。

 

しかし、
2度目の受験では逆に高得点が取れました。

 

これは、あることがきっかけだったのです。

 

私が受講した通信教育の講座は、各科目が終了するごとにテストがありました。
通信生も通学生に混じって成績処理がされるため、テスト結果は自分の学習の習熟度を測るのにはちょうどよい機会だったのです。

 

そして意外にも、
苦手だと思っていた安衛法や一般常識のテスト結果が、成績上位になっていたのです。

 

特別にそれらの科目に時間をかけて学習したわけではありません。

 

テキストを読む時間もなかったので、
与えられた範囲の問題演習だけを他の科目並にやっただけ
のことです。

 

テキストはまったく読むことなく(できず)、問題演習の知識だけで本番に臨みました。

 

他の主要科目と比べればかけた勉強時間ははるかに少ないといえます。

 

しかし、結果としてこれらの科目は、
通信教育のテストでも本番の試験でも高得点を取ることができたのです。

 

競争試験である社労士試験において、これはチャンスといえるのではないでしょうか?

 

同時に、この体験を通じて、
テキスト中心学習の限界を強く感じました。

 

では、労働科目・社会保険科目・一般常識科目の順に見ていきましょう。

 

労働基準法・安衛法、労働者災害補償保険法

社会保険労務士試験の試験科目のうち、法律科目の重要なポイントとなるのが、他の法律の元ともなっている労働基準法です。

 

労働基準法からの出題は3問で、基本となることをしっかり押さえて勉強しておくことが大切です。
というのも、例外的な箇所からの出題も多くされていて、一筋縄でいかない問題が散見されるからです。

 

しかも、長文が出題されがちで問題文を読むだけでも相当の時間を取られます。
さらに、判例も出題されるなど、とてもとても厄介な科目という印象です。

 

相当な実力者でも満点をとることが難しいのがこの労働基準法という科目と言えるでしょう。

 

ですから、試験対策としては、まず基本事項で確実に得点して、多くの受験生が得点できる問題は失点しないことです。

 

基本を確実に押さえた上で、その応用として例外的な出題に対応していくしか合格ラインをクリアすることはできそうもないです。

 

労働基準法の中でも特に重点的に勉強しておきたい分野は、労働時間、賃金、休暇、解雇など、やはり過去に頻出される基本となる分野です。

 

これらの分野においては、条文だけでなく通達や判例などからの出題もあるので、理解を深めておく必要もあります。

 

次に、労働安全衛生法(安衛法)は、専門用語からの出題が多いというのが出題傾向としてあるため、多くの受験生にとって非常に馴染みにくい科目です。

 

私も専門用語の「シャー」とか、まったく聞いたことのない単語が目白押しで、
もうわけわからん!」という感じでした。

 

出題数が少ないことで後回しにする受験生も多いことでしょう。その気持ち本当によくわかります!!

 

でも、意外と攻略しやすい科目ともいえるのです!
多くの受験生が真剣に取り組まないからこそ、少し努力すれば得点源にすることが可能です。

 

正直、勉強していて面白くない科目ではありますが、できるだけ時間をかけたほうがよいでしょう
私の場合は、安全衛生科目の単科講座を受講することで自信を持つことができるようになりました。

 

多くの受験生が軽視しがちで苦手意識も高い傾向のある科目なので、少し準備するだけで得意科目にもできるし足切点をクリアできるポイントともありますので軽視することなく取り組んでいただきたいと思います。

 

出題分野としては、安全衛生管理体制、労働者の就業にあたっての措置などは外せないところとなります。
出題数は少ないですが、科目別の基準点をクリアしていくためにも労働安全衛生法は確実に2問は取れるように準備したいところです。

 

次に、労働者災害補償保険法からの出題については、この法律が労働者の業務または通勤中の災害についての補償を決めた法律という面があるため、どの範囲までが業務に入るのか、通勤に入るのかといった点をきちんと押さえておく必要があります。
年によって難易度が上下する傾向がありますが、平易な年は得点源にできる科目でもあるのでしっかり準備していきましょう。
保険の給付についてもよく出題されているのでチェックしておきましょう。

 

雇用保険法、保険の徴収法

社会保険労務士試験の法律科目のうち、雇用保険法に関する問題は、しっかり点数をとりたい分野です。

 

雇用保険法は、会社を退職したり、会社の倒産で職を失ったときに得ることのできる失業手当について定めている法律です。
ほかにも、再就職のために受けることのできる教育訓練についても定めてあります。

 

試験での出題は、失業保険給付の内容に関するものが多く、基本手当、雇用継続給付、就業促進給付などとなります。
出題の大半はこれらの分野からとなっているので、過去問中心に集中的にしっかり勉強しておきましょう。

 

また、法律で定めてある日数や割合などの細かな数値についても出題が多いので、重要な数字はチェックを怠らないように。
雇用保険法は法改正で数値がコロコロ変わるので、最新の数値を覚えておく必要もあります。
計算問題の出題もあるので、計算ミスに注意して失点をしないよう注意しましょう。

 

実際に私が勉強して感じたのは、雇用保険は他のすべての科目と基本的な法律の仕組みが違うように思いました。
上手く表現できませんが、とても「ファジー」な印象がしました。
この場合はこうなる的な感じじゃなくて、就職したい意志があるかないかとか、他者にはわからない本人の意思で給付が決まってしまう、みたいな感じで勉強しにくい感じをずっと感じていました。

 

暗記事項も多いのですが、超難問が出ることも多く、正直、勉強当初は苦手意識はありました。
問題演習を繰り返すことでそんな苦手意識は少なくなっていきましたが・・・。

 

次に労働保険の保険料の徴収等の法律は、略して「保険の徴収法」「徴収法」と呼ばれることもあり、労災保険と雇用保険の徴収方法について定めてある法律です。

 

試験の勉強ポイントとしては、基本をしっかり押さえておくことです。
徴収法は労働災害補償保険法、雇用保険法と一体で出題されるので、順序的には、労働災害補償保険法と雇用保険法を勉強した後に取り組むとよいでしょう。

 

また、その出題のほとんどは、保険料の算定や保険料の納付手続きに関するものとなっています。
また、毎年似たような内容のものが出ているので、過去問をしっかり解いておくことがカギとなるでしょう。
この科目は難問は作りにくいため、しっかり演習して満点を狙いたい科目です。

 

健康保険法、国民年金法

社会保険労務士試験には、健康保険法についての出題もあります。

 

健康保険法は、会社の業務とは関係のない、一般的な病気やケガなどにおける補償について定めた法律です。
出題の傾向としては、保険の給付、被保険者、標準報酬などについての問題が多く、基礎的な部分を問うものが多いので、しっかりと基礎的な部分を押さえておく必要があります。

 

また、比較的得点しやすい科目ということができるかもしれません。確実に7点くらいはとっておきたいところです。過去問を中心に勉強すれば、得点できるでしょう。

 

社会保険労務士試験では、国民年金についても出題されます。
国民年金は、国民すべてに加入が義務づけられている年金で、基礎年金と呼ばれることもあります。

 

自営業者などの被雇用者保険に加入できない人を対象に作られた年金制度という見方もあります。
国民年金法は、この年金について定めた法律です。法改正が頻繁に行われるので注意が必要です。

 

国民年金法には、ほかに老齢年金や障害年金、遺族年金、寡婦年金、付加年金などについての定めもあります。

 

過去に多く出題されているのは、被保険者の区分や条件、支給要件・支給額、死亡一時金、寡婦年金、付加年金などです。

 

年金制度は5年ごとに見直しがなされ、改正後の年に当たると、その改正点がよく出題される傾向があるので、改正部分をしっかりと勉強しておかなければなりません。
また、年金については、年々難しくなっているので、深く集中的に勉強する必要も出てくるでしょう。

 

厚生年金保険法、一般常識

社会保険労務士試験の社会保険科目のうち、厚生年金保険法は、会社員などの年金を対象とした法律です。

 

厚生年金保険法は、老後の年金、障害者になったときの年金、死亡したときの年金の3つについて定めています。

 

試験問題の出題傾向は、老齢厚生年金の給付や遺族厚生年金、障害者厚生年金などとなっていますが、最近では、国民年金にない厚生年金独自の給付についての問題や厚生労働白書からの出題が目だってきているようです。

 

厚生年金保険法の勉強法としては、国民年金法と並行して行い、両者の相違点を比較するようにします。

 

また、厚生年金の給付について理解するためには経過措置の理解が欠かせないので、怠らないようにしましょう。
厚生年金独自の給付についても押さえておきます。

 

私の印象では、厚生年金は国民年金より格段に複雑で難しい印象です。
でも、合格体験記を読んでいると、国民年金より厚生年金が簡単・得意などという合格者もいます。
私の感覚からすると「そんなことはあり得ない!」ですね。

 

社会保険労務士試験では、一般常識科目は「労務管理に関する一般常識」と「社会保険に関する一般常識」の2科目が用意されています。

 

労務管理に関する一般常識は難しいので、合格ラインに気をつけ、2科目で得点をうまく上げるよう勉強の工夫が必要です。

 

労務管理に関する一般常識は、労働関係法令、労務管理、労働経済白書の3分野からの出題になります。

 

労働関係法令にしろ、数10もの法律があるので、すべて理解するというのは並みの勉強では追いつけません。
そこで、頻繁に出題されている問題に的を絞ってみるという方法をとります。
対策としては、一般常識対策用の問題集を解き、時事的なニュースや新聞などで理解を深めることです。

 

社会保険に関する一般常識の問題は、基礎8科目で押さえた知識で解ける問題もあるので、実際の試験では、こちらに重点をおいて解いたほうがいいかもしれません。

 

出題範囲がそれほど広くはなく、ほかの科目で勉強してきた内容も含まれるので、しっかり勉強しておけば高得点も望めるかもしれません。

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